人類進化の歴史を勉強するならこの本!おすすめ2018年版

こんばんは、そむてふ(@som_tef)です。

1、絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか(更科功著)

出版年月日:2018年1月
著者:更科功氏
網羅している時期:人類の誕生(約700万年前)から、ホモサピエンス1種のみになるまで(約4万年前)

生物学者である更科功氏が著者であるというだけあり、現在ある確からしい証拠と推論を合わせて実証していく形で文章が展開していくので、わたしとしては読んでいてとても納得感のある書籍でした。

いろいろと推論とかこねくりまわしたがる理系的な人びと(私含む)には非常に読みやすく面白いと思います。わたしは暗記する勢いで5周くらい読みました。

読んでいて幅広いなーと思った点は、他の動物と人類の違いを例を踏まえて説明しているところや、生き残るとはどういうことなのかを根本から解説しているところでした。

例に挙げるとすると…わたしは人類だけではなくて生き物すべての進化について子供のころから興味があったのですが、中でも収斂進化(しゅうれんしんか)というものには割と強い興味がありました。

たとえば昆虫、鳥、こうもり、翼竜類はもとは別のルーツなのにみな「飛ぶ」という目的のために翼を持っています。

魚、クジラ、魚竜類も「泳ぐ」という目的のために流線型の身体をして泳ぐためにひれを持っています。

つまり、どんな生き物でもその環境に適したように体を進化させて、どうにかこうにか生き残っているんですね。

 

でも、かたや人類が当たり前のようにしている「直立二足歩行」という特徴は、これまでの地球の歴史上700万年前に生まれた私たちの祖先だけです。

直立二足歩行は短距離走には不向きな形態です。

短距離走のオリンピック金メダリストのボルト選手でさえ、大きな図体で脚も短いカバとどっこいどっこいの速さ。

普通に考えて直立二足歩行で草原をウロウロしてたら、物陰から出てきたライオンなんかに追いかけられたら一貫の終わりですね。

こんな不利な形態を保ったままここまで生き残った人類は、いったい何を武器として生きてきたんだろう…?

こういった疑問の提起と解説が丁寧でとても興味深く読めました。

 

2、NHKスペシャル 人類誕生 大逆転! 奇跡の人類史(NHKスペシャル「人類誕生」制作班)

出版年月日:2018年5月
著者:NHKスペシャル「人類誕生」制作班
監修:馬場悠男、海部陽介
網羅している時期:人類の誕生(約700万年前)から、日本の弥生時代まで(約2800年前)

NHKで2018年4月から放送されている『NHKスペシャル人類誕生』の書籍版です。

絵や写真、地図や年表などがふんだんに使われており非常にとっつきやすいです。キャッチーなコピーも入っていて雑誌に近い印象。

おススメ度としては2番目に持ってきましたが上記の特徴がある理由で、テレビなどで興味を持ったので本で少し勉強してみようかな?という人にはこちらの方がとっつきやすいかと思います。

個人的に良いなーと思ったのは、最後に載っていた人類図鑑。

今まで発見されている人類の化石や復元図、情報類が一目瞭然にまとめられていてわかりやすかったです。

 

3、ゲノムが語る人類全史(アダム・ラザフォード著)

出版年月日:2017年12月
著者:アダム・ラザフォード
訳者:垂水雄二
網羅している時期:人類の誕生(約700万年前)から、現在(農業革命や中世史含む)

理学博士のアダム・ラザフォードが著者。

この本を読んでいて印象に残ったことは、やっぱり人類はみんな兄弟なんだから争ってる場合じゃないでしょうよ、ってこと。

人類の進化の話の本筋からはそれますが、1000年さかのぼれば全てのヨーロッパ人の共通の祖先が現れる(アジアも同じ)というメッセージが強烈に印象に残っています。

また、この本は結構責めた仮説も唱えていて、ホモ・サピエンスと交雑していたのはネアンデルタール人とデニソワ人の他にももう1種いた可能性が…!というお話もあって、このあたりは非常にワクワクしました。

前述の2冊には無かった歴史上の事実も、遺伝子を踏まえた調査で明らかになったことが書かれていて面白かったですね。

スペインのハプスブルク家がなぜ滅びたのかとか。あの家系に起こったことを科学的に数値的に証明されていました。

理系の人が書いているのでアプローチ方法は遺伝学や分子生物学中心ですが、こういった観点から歴史好きな方でも楽しめるのではないでしょうか。

 

4、我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち(川端裕人著、海部陽介監修)

出版年月日:2018年1月
著者:川端裕人
監修:海部陽介
網羅している時期:人類の誕生(約700万年前)から、約4万年前まで。ただしアジアの原人中心の話)

こちらの本は、アジアの原人を中心としたお話なので、ある程度人類進化の歴史について基礎知識があったうえで読むのが良いと思います。

アジアにいた原人としてはホモ・エレクトスであるジャワ原人や北京原人がいますが、近年身長が極端に小さいフローレス原人や台湾で見つかった原人など、まだまだアジアの人類進化の過程は謎に満ちていて面白いです。

最終的にはアジアの原人はアフリカから来たホモ・サピエンスにとって代わられてしまいました。

が、本書の最後の方ではデニソワ人をはじめとした混血についての新説が語られていて、

人類って…ホモサピエンスってほんとなんなんだろう?

ってまたもや考えさせられました。

ヨーロッパ・アフリカ中心の人類進化の研究が多い中、アジアの人類の詳しい解説が読める本書は大変貴重だと思いました。

 

まとめ

有名なサピエンス全史とかも読んだんですけど、人類の進化という生物学的な観点ではちょっとおススメできませんでした。

サピエンス全史は、歴史や文明の視点から書かれている場面が大半だった印象なので文系の人は面白いのかも。

 

人類進化の歴史をさくっと勉強したいのであれば、1と2を読んでおけば大体最新の情報を得ることが出来ると思います。

どちらか1冊だけ!というのであれば

文章中心で論理的に仮定と論証が分かりやすく書かれているのが良い人⇒1、絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか(更科功著)

絵やキャッチ―な文章でさくっとざっくり情報を得たい人⇒2、NHKスペシャル 人類誕生 大逆転! 奇跡の人類史(NHKスペシャル「人類誕生」制作班)

という感じでしょうか。

とにかく人類進化の歴史を勉強するのは本当に楽しいので、良さそうな本があり次第また追記していく予定です。